松林寺 大邱・八公山(パルコンサン)にある名刹

2010年12月31日金曜日

2010年12月31日(金)

 昨夜は上環11時59分発のフェリーで帰還。ホテル着は午前2時近くだったろうか。
 今日はもっぱらホテルの部屋でこのブログを書く。朝ご飯はセドナ広場の近くを歩きながら入った店で猪扒飯(ポークチョップ・ライス)。素朴で美味い。坂の街を歩くとリスボンの街を歩いているような錯覚にとらわれる(行ったことはないけど)。AさんもT子さんもリスボンには行ったことがあり、その2人がそういうのだから、ポルトガル人は同じような街を作るということらしい。インドのゴアも、マラッカも、同じような街の感じだそうだ。
 午後、2度目の散歩。観光客がうじゃうじゃ歩いている。観光地はどこも竹下通り(この喩えはもう古いか?)状態。聖ポール天主堂跡などを見て、午後4時、福隆新街にある「祥記麵食専家」に。昨夜会った文さんのお勧めの店で、昼頃覗いた時は満席だった。蝦子𢭐麵を頼むが、細い麵は「黄枝記」と一緒で小ぶりなヴォリュームも似たようなもの。ゆでた麵の汁気を切ってぱさぱさに近くしたものに海老の粉を振りかけただけで、ちょっとがっかりする。頼んだ青島ビールが大瓶だったので、他の客が頼んでいた炸雲呑(揚げワンタン)を追加で注文する。これは実にサクサクとしてパリッとしてビールに素晴らしく合う。多すぎるかな、と思ったが、食べ出したら止まらなくなった。
 2010年最後の日は、雲呑で締めくくりだった。ここは韓国ではないのでTVがつまらない。韓国のテレビはいつも歌謡大賞だの芸能大賞だの、大晦日はどのチャンネルを見ても人気歌手や人気俳優の生の姿が楽しめるのだが…。
                 聖ポール天主堂跡
               蝦子𢭐麵(手前)と炸雲呑

裕記の鵞鳥

 ペニンシュラのロビーでTさんと会う。Tさんは小生のためにケーキまで持参してくれた。十数年ぶりのペニンシュラだが、バブリーで落ち着かない。Tさんによると、ロビーにあったソファーなどすべて撤去して両側を喫茶室にした由。どちらの喫茶コーナーも満員だが、ゆったりとしたスペースがなくなり、待ち合わせに来た人は立っているしかない。
 Aさん到着、T子さんがなかなか回復しないので上環までタクシーで行きヘリコプターでマカオに帰らせたと聞き、仰天。小生の宴会におつきあいいただくために、ご心配と散財をおかけしてしまい大変申し訳なし。タクシーで深井に。Tさんによればかつて深井にはサン・ミゲル(フィリピンのビール)の工場があり、ホップ等の余り物を餌にした鵞鳥がとても美味になり、「裕記」が鵞鳥料理屋を始めて大当たり。いつしか香港一の鵞鳥専門店街になったとのこと。
          鵞鳥焼き。ぱりぱり、ジューシー、香りも食感も絶品
 小生のための宴会は、Aさん、Tさん、文さん、朱さん、岑さん、5人が集ってくれた。文さん、朱さん、岑さんはTさんの友人で香港人の競馬記者。感じの良い若者ばかりであった。
 フォアグラ、砂肝、塩玉子と西洋菜のスープ、豆腐料理、イカの麻辣炒め、肝・臓物と赤・緑ピーマンの炒め、葱と生姜で炒めたフィリピンの大ぶりの蟹、タロイモと家鴨の干物のシチューなどなど、ヴァラエティ豊かなメニュー。酒は剣南春、モエドシャンドン、ヴーヴクリコ、ブルーガール(ビール)。
 上の写真が肝・臓物と赤・緑ピーマンの炒め、下はTさんが香港マキシムという店で買ってきてくれたショートケーキ。「ハッピーバースデイ」の歌声、乾杯のかけ声、拍手、有り難く、幸福な誕生日を迎えることができた。
                 皆さんに感謝。

2010年12月30日(木) 誕生日

 58歳の誕生日也。50歳の誕生日を故郷・北海道の居酒屋で祝ってもらって以来、8年連続、海外で誕生日の前後を過ごしてきた。台北、ソウル、大邱、釜山、そして今年は香港で。
 今日から3泊、ホテル・ギア(東望洋酒店)に泊まり、元旦はマカオで迎えることにした。Aさん夫妻にホテルまで来てもらい、タクシーで孫逸仙大馬路の「佛笑楼2」へ。お洒落なレストランであった。アフリカン・チキン、鰯の塩焼き、小鳩のグリル。広東風に焼いた鳩は薫り高く繊細で美味也。アフリカン・チキンなるものは、なるほどこんなものか…という味であった。ソースの複雑なスパイスにポルトガル海外進出の歴史が感じられるのだろうか?

                  アフリカン・チキン

 15時発のフェリーで九龍に向かう。揺れのためか、メールをしていたら汗が出て気持ちが悪くなる。香港入境のカードを書くのも辛いほど。T子さんも辛そうにしていた。やっと香港に着いたもののT子さんは回復せず、港にAさん夫妻を残して小生だけ街へ出る。待ち合わせのペニンシュラ・ホテルまでゆっくり歩いて15分ほどなのだが、香港の人いきれ、エネルギーに圧倒されながら、人混みをかきわけて歩く。マカオが素朴で田舎に感じるほどの大都会のパワーにどぎまぎする。
 両替をしたり、ワインや白酒を買って、ペニンシュラのロビーに。ここに立つのは十数年ぶりだ。故池宮彰一郎さんと北京、武漢、南京、広州など、10日間くらい中国取材旅行をして、最後にたどり着いた香港で、池宮さんが「ペニンシュラのロビーにある喫茶室でチーズケーキを食べたい」と言い出した。香港から成田に向かう合間のわずか数時間。初めての香港の思い出は、そのときの濃厚な大ぶりのチーズケーキの味だけである。
 池宮さんが亡くなって5年くらいだろうか。そのときの取材旅行は「辛亥革命」というタイトルで雑誌に連載されたが、完結せず途中中断、単行本にもなっていない。ただ小生にとっては初めての中国旅行であり、その後20数回中華圏を旅するきっかけとなった思い出深い記憶である。

ポルトガル料理

 野味を堪能したあとは、「益健保健中心僑光店」という巨大マッサージ店に入り、サウナ、垢すりの後、迷路のカラオケボックスみたいな個室に通されて、足のマッサージ60分、全身マッサージ90分、爪のカット、カッピング(肩から背中、腰まで20個以上の丸い痣が残り、Aさんに「エイリアンに食われた痕みたいだ」と言われる)までしてもらう。うつぶせになっているので何をどうされているのかわからないが、背中に砂のようなものを敷き、熱いものを押し当てられるとカチカチ山の狸状態。Aさんも小生も「アチチチ、アチチチ」と叫びながら許しを乞う。マッサージの女の子たちは笑って「アチチチ、アチチチ」と我々の口まねをする。とにかく強烈な施術を受けて、お腹が空いたので、マカオに移動。Aさんの奥さんT子さんは「シルク・ド・ソレイユ」が8時からなので、先発していた。
 夕食は午後9時からタイパ島のポルトガル・レストラン「A PETISQUEIRA」で。
                  干し鱈のグリル
蛸のサラダ、浅蜊の炒め、干し鱈のグリル、チョリソー、浅蜊と豚肉とじゃがいもの料理(下の写真。T子さんがリスボンで食べておいしかったというので注文したが、この日出たものとはちょっと違っていたらしい)。10時半過ぎ、T子さんも合流。ポルトガル・ワイン大変美味なれど、全身マッサージのおかげか体の隅々までアルコールが行き渡り、3本目でもう限界…。

珠海の野味

「佃の渡しみたいなものですよ」とTさん。連絡船はものの5分もたたぬうちに対岸の湾仔に着く。タクシーをつかまえて乗り込み、Tさんが交渉すると「あそこなら虎が食べられるかもしれない」と運転手がいう「大帝苑酒家」まで15分くらい走る。陽光降り注ぎ、急に視界が広がって、広い中国の片田舎を走るような実感。遠く対岸にマカオのホテル・グランド・リスボアが見える。
「大帝苑酒家」に着き、2階の海が見える個室に案内される。今朝、当局の手入れがあったのでハクビシンはないとのことで、Tさんは残念そう。結局メニューは、ふくろうのスープ、鰐のスープ、センザンコウの醤油煮込み、レタスの腐乳炒め、野鳥の炊き込みご飯、野生のスッポンの蓮の葉包みセイロ蒸し。

              センザンコウの醤油煮込み
            野生のスッポンの蓮の葉包みセイロ蒸し

2010年12月29日(水)

 朝7時起床。体調はまずまずか。セナド広場まで歩き、「黄枝記」に入って咖哩牛腩麵と鮮蝦雲呑麵。25元と24元。どちらも小ぶりで麵も細い。メニューも豊富で落ち着いた良い店。近くのスタバでコーヒーを飲んだあと新馬路を歩いてみたが、マカオは繁体字なので気が落ち着く。
 埋め立て地には巨大な建物が立ち、バブリーで、観光客が落とす金で経済が成り立っている一方で、昔ながらの街並みからはのんびりとした風情が伝わってくる。しかし朝の散歩、中国ではいつもそうだが、排気ガスで目が痛くなる。

ホリデイ・インに宿を移し、12時半にAさん夫妻、Tさんとロビーで集合。今日は中国の専門家Tさんに珠海へ連れて行ってもらうのだ。朝香港から来たTさんもマカオのイミグレーションで1時間近く待たされ、うんざりした由。珠海への入境もきっと混んでいるだろうと、陸路ではなく船で行くことに。

2010年12月30日木曜日

2010年12月28日(火)マカオ・香港の旅

 朝10時発のJAL027便で香港へ。香港空港では入国せず、乗り換え待合室で16時発のマカオ行きフェリーを待つ。羽田で預けた荷物はフェリーチケットを買うときにタグカードをチェックされ、どうするのかわからないが、その客の荷物を飛行機から探し出して当該のフェリーに載せる、という仕組み。マカオのイミグレーションは人、人、人、の洪水で、世界各国から様々な飛行機で香港に来た観光客の荷物、本当にちゃんと仕分けして出てくるのか疑心暗鬼、不安にとらわれる。約40分の長い行列の果てにマカオ入り。イミグレーションの外に、無造作に小生の旅行鞄が放ってあった。
 午後6時過ぎ、やっとメトロパークホテルにたどりつく。思ったよりマカオまでは遠かった。Aさん、Tさんに電話。Tさんは成田からANAで香港に着き、マカオ行きフェリーの混雑した待合室を横目で見ながら(あの中に方円さんいるのかな)と思ったそうだ。旅慣れたTさんはエアポートエクスプレスでさっと香港市内に入り、小生がフェリーからマカオの海を眺めている頃にはホテルでくつろいでいたようだ。明日、12時半に待ち合わせと決める。
 午後7時過ぎ、Aさん夫妻がホテルに来てくれる。近くの「老四川」という店で、姜葱羊肉、レバーの入った酸辣湯、干鍋田鶏(蛙)に、マカオ・ビール、「瀘州老窖」52°など。ホテルへ戻り、風邪薬を飲んで早めに休む。朝から少々体調が悪く、初日からこれで大丈夫なのだろうか?
                                                               干鍋田鶏(蛙)                    
                                                                    姜葱羊肉